【報道】災害後の自殺予防策を学ぶ 熊本で学習会

災害後の自殺予防策を学ぶ 熊本で学習会 : 地域 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

熊本地震:東北の事例生かして 震災後の自殺防止講演会 前兆あれば具体的確認を /熊本 – 毎日新聞

災害後の自殺予防に関する学習会が17日、熊本市中央区のホテルで開かれた。東日本大震災の被災地で自殺対策に取り組んできた福島県立医科大の前田正治主任教授(災害精神医学)が、災害後の自殺の傾向や対策について講演した。

 熊本地震を受け、熊本、福岡両県の弁護士会が主催した。行政、医療関係者ら約90人が参加した。

 前田主任教授は、東日本大震災で被災した東北3県で、震災3年後に自殺者が急増したとする調査結果を示し、「震災直後は『頑張ろう』と高揚するが、徐々に疲弊したことが考えられる」と説明した。自殺者は周囲に悩みを相談していることが多く、「死にたいと思っていないか、直接聞くことが大事だ」と指摘した。

 また、震災から3~4年後に福島県内の2自治体で調査したところ、2割近い職員がうつ病を発症していたといい、前田主任教授は「(行政職員は)仕事量が増加するほか、被災した住民から怒りの声を受けることで無力感に陥りやすい。感謝や尊敬の言葉が大事になる」と語った。

2016年09月18日 Copyright © The Yomiuri Shimbun

 東日本大震災後の自殺対策に取り組んできた、福島県立医科大の前田正治主任教授(災害精神医学)が17日、熊本市中央区のホテルで講演した。

 前田教授によると、震災関連の自殺者の特徴は、住居や職業が変化したり、「借金返済が滞っている」や「震災後に避難して近隣の住民と離れた」など自殺前に家族ら周囲に悩みを訴えたりするケースが多く見られたこと。また話を傾聴するだけでは自殺のリスクは分からないとし、自殺を考え始めていないかどうか具体的に尋ねることが必要だと指摘した。

 また2014〜15年にかけて、東京電力福島第1原発の30キロ圏内にある二つの町の職員約180人を対象に、精神科医らが個別面接調査した結果、17・8%がうつ病と診断されたことも報告した。震災後の業務増加や職員が町民の怒りや不満を受け止める立場にあったことなどが背景にあるという。

 「東北での経験もあり、熊本では早い時期から自治体職員らのストレスの問題に着目している。支援者側のケアをすることが大事だ」と訴えた。

毎日新聞

  • 東北大震災では、震災3年後に自殺者が急増。熊本でも今後の対策が重要。
  • 話を傾聴するだけでは自殺のリスクは分からない。自殺を考え始めていないかどうか具体的に尋ねることが必要。
  • 自治体職員のストレス問題に要注目。ケアが必要。