熊本地震:自治体職員うつ状態も 心のケア対策始まる – 毎日新聞
熊本地震で大きな被害を受けた熊本県内の15市町村と熊本県のうち、半数にあたる8自治体が職員を対象にした心のケア対策を始めていることが毎日新聞のまとめで分かった。職員を対象に健康状態を調べた熊本市では、うつ状態になりかねない職員が半数を超えている部署もあり、産業医との面談が始まっている。地震発生から間もなく2カ月を迎え、各自治体は職員の健康維持に懸命だ。
毎日新聞
熊本市
- 5月末までに、教員と病院職員を除く全職員約1万人を対象に健康状態に関する調査
- 「うつ状態に陥りかねない」とされる人数が半数を超える部署もある。
- 自由記述欄には「勤務が連続しており被災した自宅に住む家族をケアできない」「睡眠時間が足りない」などの記載が目立つ。
- 休日返上の勤務が常態化。
熊本県
- 毎年春に実施するアンケートに地震後の変調に関する5項目の質問を追加。
- 休日返上の勤務が常態化。
阿蘇市
- 5月末、管理職を対象に部下への接し方などを学ぶ研修会。
西原村
- 日本赤十字社と協力して、職員とカウンセラーとの面談を開始。
益城町
- 専門家による面談。
- 役場3階にリフレッシュルーム(休憩室)が設置。
宇土市
- 取材に「面談などが必要だと考えているが、地震対応で時間が取れない」との回答。
菊池市 相談窓口を設置
嘉島町 メンタルケアの説明会
御船町 職員の健康状態を調査
益城町 専門家による面談。役場に休憩室
各自治体は対応を急ぐべき
心のケアに詳しい筑波大の高橋祥友教授(災害精神支援学)の話 自治体職員は避難所などで被災者と直接面談する一方、自らも避難生活を送るケースもある。心身ともにハードで、ケアが必要だ。過去の災害では、専門家を配置した常設のカウンセリングルームが有効だったこともある。各自治体は対応を急ぐべきだ。
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